妊娠不安を解消するものではない
妊娠は女性にとって一大事です。
明確に妊娠希望の意志を持っていない限り、
妊娠の不安を持たない女性はいません。
セックスの際に妊娠の心配をする男性はいても、
妊娠の不安を持つ男性はいません。
妊娠の不安を感じるのは女性だけです。
女性だけです。
不安の強弱はあっても、いつでも女性は必ず不安を抱いています。
ピルの認可に際しても、安易なセックスを助長するという意見がありました。
しかし、ピルを服用していても妊娠の不安が消えるわけではありません。
ピルの仕組みがよく理解できた上で一定期間服用して、
始めて不安は消えていきます。
緊急避妊薬は事後に服用するものであり、
効果も100%ではありません。
緊急避妊薬が妊娠の不安を取り除くことはできませんし、
緊急避妊薬が安易なセックスを助長することはありません。
医学的根拠
J.Trussellらによる緊急避妊研究のレビュー(英語)は毎年更新され、世界中の産婦人科医が依拠しています(日本の産婦人科医が参照しているかどうかは不明)。
2014年改訂版では11ページに、18本の報告を参照し、
「公表されているエビデンスは、緊急避妊の利用環境の改善によって危険な性交渉が増加することはないし、通常の避妊法の使用に悪影響をもたらすことはないことを明確に示しているように見える」と結論づけています。
「安易なセックスを助長する」とする考えは、医学的妥当性を持ちません。
ジェンダーバイアス
緊急避妊薬は女性から妊娠の不安を取り除くことはありませんし、
安易なセックスを助長することもありません。
もし仮に、緊急避妊薬が妊娠の不安を取り除き、
「安易なセックス」を助長するものであったとします。
その場合も、緊急避妊薬の使用を制限する正当な理由とはなりません。
男性は「安易なセックス」が許され、
女性は「安易なセックス」が許されないのでしょうか。
違います。
「安易なセックス」が許されないのなら、
それは男性も女性も同じはずです。
「安易なセックス」が許されるのなら、
それは男性も女性も同じはずです。
女性はセックスの際に妊娠の不安がつきまといます。
そのため、女性の性行動は消極的になります。
だからといって、それを規範として女性に押しつけるのは不条理です。
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